「少しお時間いただいてもいいでしょうか?」


可愛らしく首を傾ける麗佳さん。


「あ、えっと……」

戸惑う私に

「そんなに手間は取らせませんので」

丁寧に答える彼女は

前に見た稜祐とのやり取りとは全く印象が違う。


「はあ……なら、大丈夫です」


私は恐る恐る承諾すると、

麗佳さんは紗依を見下ろした。


「すいません、席を外していただけますか?」

冷たく紗依を見る視線にぞっとする。


「あ……はい」

紗依も気迫に押されて

敬語で答える。


「香乃子、大丈夫?」

心配そうに私を見る紗依を心配さすまいと

ぎこちないだろうけど、笑ってみる。


「大丈夫!紗依今日放課後デートだよね?

先帰ってて?」


紗依は

「何かあったら必ず連絡すること」

を私に約束させ心配そうにしながらも先に帰っていく。



「それで、話って……?」


改めて麗佳さんを見ると

髪を払って腕を組んだ。


「単刀直入にいきますよ。


香乃子さん、兄のこと好きですよね?」