「彼女さんはいいんですかっ」

なんだか気が強そうな子だったし、

私なんかのところ来ちゃダメでしょ。


そう思って聞くと

思いっきり顔を歪ませる稜佑。


「彼女じゃないんだ」


……だから、さっきから何言ってんのコイツ?


信号が青になったのが見えて

スルーして渡る。


「嘘つかないくていいからさ。

今更アンタへの嫌い度は変わらないし。

デート行ってきなさいよ」


「だからっ、違うんだって!

あれは、妹!!

あいつがふざけてただけ!!」


…………妹?

嘘だ、と思って稜佑の顔を見ると、

本気で真剣な顔。


嘘じゃないの?


でもわからない、

嘘かもしれない。


信号を渡りきり

半信半疑の目を向けると

焦ったようにスマホをいじり、


「ああ、ほらっ」

とひとつの画面を見せてくる。



そこにはSNSの登録の名前が

『桃井麗佳』と書かれた、

さっきの美少女と彼女の友達であろう子達の

写真がアイコンのアカウントのページ。



桃井って、苗字一緒。

本当に妹?