稜佑の表情からは何が起こってるのか読み取れず、

もしかして、この格好変とか!?

なんて、不安が生じる。


手を引かれながら歩いてる際に、

「えー、稜佑くんと一緒にいるの誰ー?」

なんて声が聞こえて、

内心ヒヤッとしたりもして。


やっと彼の足がとまると、

私を自分と壁とで完全に囲ってしまった。


私の顔の両隣には稜佑の腕。

ほどほどにある身長差のせいで

奴は腰を屈ませている。


「えっと……コレはいったいどういう――」

「ダメだな」

私は状況が不明で問おうとすると、

言葉をかぶせてきた。

しかもダメ出しって……。


賭けに負けて悔しくて、

でも頑張って約束を守ろうと思ってこうしたのに

急に否定だなんて……


「可愛すぎてアウト。

他のやつに見せちゃダメ。

あー、俺バカだー……」

そう言って、

私の頭上でぶつぶつと

「デートとか俺の前でだけ、とかにすればなあ……」

なんてわけのわからないことを言っている。