「ごめんね、お待たせっ」
私もいつも使っている席に着くと、
水野くんはその待たせてしまった数分で本を読み始めてしまった。
ふふ、また本読んでる。
なんて微笑ましく見ていると
目の前の彼はハッとしたようにこっちを向いた。
「……ごめん」
なんていって筆記用具を出し始めたけど、
水野くんが声もかからずに本を読む手を止めるなんて!!
そんな様子にびっくりしていると
「山田さん……?」
不思議そうに私を見る水野くん。
「あっ、いやいや、何読んでるのかなーなんて!」
ごまかそうと適当なことを言ったのが
運の尽きで、
そのまま勉強ではなく、小説の話になってしまった。
自分でもヤバいってわかってるんだけど、
水野くんのおすすめしてくれる話面白そうだし、
2人共読んだことある本のことを語るのすごく楽しいし!!
「それでさっ、私途中で登場人物がごっちゃになってさー」
「容疑者みんな兄弟で苗字一緒だからね。下の名前も似てたし」
「そうそうー!」
なんて、会話に花を咲かせていると、
「えー、帰っちゃうのー?」
「まあまあ、来週も会えんじゃん?」


