「お礼なんていいよー」
そういって笑うと、同時に細められた瞳から涙がこぼれた。
泣き出した私を見て、水野くんはびっくりしたようで、
「山田さん?」
と心配そうに私を見つめる。
「ううん、大丈夫。
これは嬉し泣きよ。
自分の言葉が相手を傷つけることなく伝わってとても嬉しいの」
「ああ、うん」
泣いてる理由を説明するとほっとしたようにまた微笑んでくれる。
そっか、これが本当の水野くんなんだね。
私も笑い返すと、
なぜか少し表情が固まってしまった。
けどすぐに「ごほん」と咳払いをして、
私をまっすぐ見て口を開いた。
「……これは俺なりの賭けなんだけど、
山田さん、君が言ってた俺と『相性の合う人』が
山田さんなんじゃないかって、期待してもいいかな?」
「え……?」
私の水野くんが相性の合う人?
うん、もしかしたら、そうかもしれない。
本が大好き同士、たくさん仲良くなれると思う!
「うん!そうかも!!
私達、本の世界が大好きで、友達作るのに少し不器用で、
すごい似てるよね。
……うん、相性のいい友達になれそう!」
私は嬉しくて机に身を乗り出していた。
「……あ、うん、そう、友達ね。
まあそこから始めるか。
これからよろしく」
多分私が近づきすぎてしまったらしく、
なんだが言葉の歯切れが悪かったけど、
これで、水野くんとちゃんと友達になれたんだわ!


