スキャンダルなアイツ-プレイボーイに気に入られたのは毒舌地味子-




私は鞄から飲み物を取り出し、飲み終わると

「『またやってた』?」

彼の言ってた事が気になって聞いてみる。


水野くんはそれを聞いてさっきまで読んでいた本をちらっと見て、口を開いた。


「俺、本好きが普通の人より、度が過ぎてる……ってよく言われて。

自覚は多少あるけど、改善する気もないし

よく話しかけられたりとか無視するから色んな人を怒らせたりして……」


下を向きぽつぽつと話していく彼をじっと見ていると、

ここまで言って手に力が入ったのがわかった。


「俺が友達作らない理由はコレ。

『そんなに本が好きなら本と友達でいろ』なんて。

言われたんだ、中学の時仲良かった奴に」


初めて見た、だけどあまり見たくなかった彼の嘲笑に

私は思わず胸が痛んだ。


これはキツイ物言いで他人を傷つけ、

一時期はもう誰とも仲良くなろうとしてはいけないと思ってた私だ。

だから、

だから彼の事が気になってたんだ。

彼は少し前の私なんだ。


「あのねっ!」

気づけば声が出ていて。


「やっぱ人間は相性があるのよ!

私もね、人に毒舌って言われて、

友達なんてもう誰ともなっちゃいけないなんて思ってた。

だけどね、今まで出会った人達は私の口調が嫌で離れていってしまったけど、

私もやっと、こんな私がいいって笑い合える友達が出来そうなんだ!」


そう、人と人は巡り合わせ。

どう生きるかはそれぞれ次第だけど、

私はやっぱりこんな性格だし、

水野くんは本が大好き。

誰かからは疎まれるかもしれない、

誰かは離れていってしまうかもしれない。

だけどまた違う誰かは、そばにいてくれるかもしれない。


そんな人を私は大切にしたいと思った。

むやみに傷付く事、傷付ける事を恐れるんじゃなくて、

その人達との気持ちのいい距離感をつくっていけばいい。


「水野くん、本が大好きな水野くんは素敵だよ!

その離れていってしまった人はそんなあなたの魅力とは相性が合わなかった人。

だけど、それなら逆に相性の合う人、

あなたから離れない人も必ずいる。


本が大好きで本に夢中になるあなたとも

気持ちのいい距離感で付き合える友達がきっといるよ!


……まあ、こんな偉そうに言っちゃったけど、

私もこのことに最近気づいたの。仲間だね」