スキャンダルなアイツ-プレイボーイに気に入られたのは毒舌地味子-




班のみんなが私を見る。


「3人が謝ってくれる必要ないんだよ!」

誤解をとかなくちゃいけない気持ちで

口調に気をかけていられない。


「そもそも私が料理下手で作業が遅かったのが悪いんだし、

それに指切った理由は、包丁持ってた右腕が誰かに当たっちゃって

玉ねぎ切るつもりが指に当たっちゃったの!」

だから誰も悪くないの!謝らないで!

そんな思いで両手をぎゅっと握ると

左手が少しズキンとした。


「……そうだったのか。悪い、俺が勘違いした」

稜佑がしょげたようになると、

「全部が偶然で起きちゃったんだから、誰も悪くないよ。

それより山田さんが無事なのが何より。

気を取り直してみんなで楽しく食事しようよ」

いつもはクールな表情を崩さない伊東くんが

珍しくみんなや私、稜佑を気遣うように優しく笑っている。

その雰囲気に救われて私も盛り上げようと声を上げる。


「そうそう!私ももう大丈夫だしね!!」

大丈夫な証拠にとさっき握った左手に更に力を入れて胸の前でぶんぶんと振る。

……と、流石に動かしすぎだったらしくて

「――っ!!」

またズキンと痛んでしまった。


それに気づいたらしく

稜佑がハッとして私の手を取った。


「香乃子ちゃん!?」


その動作がさっき手にキスされた状況と似ていて

思いっきり手をはなす。


「えっ、ちょっと……?」

私の動きに困惑顔の稜佑。

私は恥ずかしさでパニックになっていて……


「稜佑さっきから近すぎ!!

もう大丈夫だからほっといて!!」


……ああ、なんて恩知らずな私。


その言葉にキョトンとする稜佑。

謝ろうとしたんだけど、

どうもみんなも静かで。


ん?


そう思って班のみんなを見ると

全員表情に差はあるけどびっくりしたように私を見ていた。

状況がわからなくて黙っていると

すぐ後に稜佑が罰が悪そうに口を開いた。

「……香乃子ちゃん、口調」


あっ!!!みんなの前なのに!!!


やっちゃったー…………。