「……よし、これで後は今日は激しく動かしたりしないでね」
保健の先生の待機していた部屋に着くと
稜佑が事情を説明してくれた。
その後は先生に手当てしてもらって、
今は指それぞれに絆創膏をはっている。
「はい、ありがとうございます」
私は先生にお礼を言い、
また炊事場へ戻ることにした。
部屋を出る前にもう一度お辞儀をしてドアを閉める。
そして歩き出す足音2つ。
「……ありがとね、連れてきてくれて。
私ちょっとパニックで頭動いてなかったからさ」
なんて、今思い返すと私アホ面だったんだろうな。
そう思うと稜佑にお礼を言いながらクスッと笑ってしまった。
その顔を見たらしい稜佑は
今までの神妙な顔つきをくずして
「はぁー……」
と大きく息を吐いた。
「マジでビビったよ」
今朝バスで見せたような優しい表情で笑って
私の左手をそっと手にとる。
「ん?」
何するんだ?
不思議に思ってそのまま見ていると
「跡になんないように」
と怪我の部分に絆創膏の上から口づけをした。
「--なっ!?」
びっくりして声を出せないでいると
「はは、照れてる」
なんてやっぱり柔らかい雰囲気。
さっきの真剣に心配してくれてたような表情からいっきに優しい顔になるなんて。
こんな稜佑、なんか見てるとドキドキする。
なんだろ、これ。
いつもの稜佑じゃないような……。
「……こ、これがギャップ萌え?」
よくわからない感情を
今朝覚えたての言葉であらわしてみる。
頭を傾けて稜佑に尋ねてみると
「……俺がね!俺がやられちゃってるからね!?」
なんてよくわからない言葉で返ってきた。
どういう意味だ?
それが伝わったらしく
「香乃子ちゃんはまだわかんなくていいよ」
なんて頭をぽんとされてしまった。
まだ心臓がドキドキ言ってる。
『ギャップ萌え』恐ろしい!


