「無理だよそんなっっ!!」
慌てて否定する茜ちゃんは
続けて
「振られたらもう話せなくなるし、
まだ告白とかそういうのはやいよ!!」
とまだ自分には望みは薄いと思っているようだった。
「確かに今回で仲良くなれたなら、
もっと仲良くなってみたいよね」
彼氏のいる紗依ちゃんの発言は
なんだか妙に説得力がある。
「……うん」
茜ちゃんは嬉しそうに照れて頷いた。
その様子がまさに恋する乙女って感じで、
実際私には程遠いものだ。
「なら私は茜がどんどん伊東くんと仲良くなれるよういつでも協力するから!!」
楽しそうにそう言う美奈ちゃんは、
茜ちゃんのためでも本当にあるんだろうけど、
多分自分も周りの恋愛事情が盛り上がることで面白がっているようにみえた。
自分が面白いから行動する。
……って、なんだか誰かさんみたいだな。
盛り上がっている会話を、
みんな可愛いなーなんて思いながら聞いていると
「そろそろ行く?」
と時計を見た紗依ちゃんが
夕食作りの時間が近いことを教えてくれた。
私達はさっき担任から受け取ったこの部屋の鍵をしっかりかけ、
この宿の隣にある炊事場へと向かった。


