そう。 「チサト…」 いつの頃からか先生はアタシのことそう呼んでくれるようになった。 先生が甘く低い声でアタシの耳元で名前を呼ぶと胸のどきどきが途端に大きくなって 先生にも聞こえてしまうんじゃなかって焦ってしまう。 ちゃんと応えようと思うんだけどどうにか平静を保とうとする、 それだけでもう精一杯。 余裕なんか全然ない。