「先生、 あとでピアノ弾いてくださいね?」 「ピアノ?」 「久しぶりに聴きたくなったんです、 先生のピアノ。 えっとそうですね… リストの…【愛の夢】」 「またその曲?3番?」 「そうです。 それからショパンのノクターンも」 それまでの先生が奏でるノクターンはとても切なくて悲しく聴こえていたけれど最近はそんなふうに思わない。 なんてアタシの自惚れ…かな …なんて。