「そんなことないんだけど… あの…ところでね、 えっとアタシ、 大好きな人がいるの」 アタシのその言葉に電話の向こうでお母さんの笑う声が聞こえる。 どこか変な言い方だったっけ? 「ホ…ホントなんだから!」 信用してないかもって思って念を押すように言う。 「なにも疑ってないじゃないの。 いきなりだから可笑しかっただけ」 「うん…」