alternative

「よし、偵察部隊は後方から援護射撃の準備を。第207訓練分隊は…」

時雨が途中まで指示を出した、その瞬間!

「おぉぉおぉぉおおぉぉおぉっ!」

誰よりも速く幌から飛び出し、抜刀してAOKに突進する影!

「綾斗っ!」

晴が叫ぶ!

思った通りだ。

綾斗は完全に『キレて』しまっていた。

彼女の頭の中で、二年前の首都防衛戦の際にAOKに殺された親友、七瀬の姿がフラッシュバックする。

徴兵制で国連軍に入ったとはいえ、彼女には自ら軍に志願しても構わないくらいの動機があった。

殺された親友の復讐。

綾斗はAOKに対して、並々ならぬ憎悪を抱いていたのだ。