「落ち着けよ、奈々」
荷台の隅に座って鞘に納めた軍刀を握り締めていた綾斗が、奈々をなだめる。
「奈々は『俺』や皓の後ろについて、後方支援してくれればいい。お前には手は出させない」
(俺…?)
いつもと違う綾斗の口調に、晴は違和感を覚えた。
綾斗の様子は少しおかしかった。
目の色が変わっているというか、入れ込んでいるというか。
過剰に気負っている感じがした。
「そうそう、奈々は後ろで身を守ってろ!俺達がAOKやっつけてやるから!」
実戦の緊張感はないのだろうか。
皓だけがいつものような無邪気さで奈々に語りかけた。
「みんな…」
奈々はここに来て、この仲間達と部隊を組めた事を感謝する。
三ヶ月間、過酷な訓練を共にした事で、血の繋がりにも似た絆が生まれつつあった。
「貴様ら、みっともないぞ。狼狽するな」
最後に時雨が新兵達を一喝する。
「たった三ヶ月とはいえ、威力偵察任務程度で命を落とすような生半可な鍛え方はしていない。自信を持て。貴様らはこの『不死身の時雨』の優秀な部下だ」
荷台の隅に座って鞘に納めた軍刀を握り締めていた綾斗が、奈々をなだめる。
「奈々は『俺』や皓の後ろについて、後方支援してくれればいい。お前には手は出させない」
(俺…?)
いつもと違う綾斗の口調に、晴は違和感を覚えた。
綾斗の様子は少しおかしかった。
目の色が変わっているというか、入れ込んでいるというか。
過剰に気負っている感じがした。
「そうそう、奈々は後ろで身を守ってろ!俺達がAOKやっつけてやるから!」
実戦の緊張感はないのだろうか。
皓だけがいつものような無邪気さで奈々に語りかけた。
「みんな…」
奈々はここに来て、この仲間達と部隊を組めた事を感謝する。
三ヶ月間、過酷な訓練を共にした事で、血の繋がりにも似た絆が生まれつつあった。
「貴様ら、みっともないぞ。狼狽するな」
最後に時雨が新兵達を一喝する。
「たった三ヶ月とはいえ、威力偵察任務程度で命を落とすような生半可な鍛え方はしていない。自信を持て。貴様らはこの『不死身の時雨』の優秀な部下だ」


