alternative

時雨の前に整列し、敬礼。

分隊の隊員が全員揃う。

「よし、揃ったな。それでは…」

午後からの訓練を開始しようとした時だった。

「時雨少佐!」

迷彩服姿の一人の兵士が、時雨に駆け寄ってくる。

相当に慌てているのだろうか。

血相を変えて走ってくる兵士に、他の新兵達も不穏な空気を察知する。

「……」

無言のまま兵士からの報告を受ける時雨。

その表情はあくまで険しい。

報告を受け、兵士がまた走り去った後。

「…訓練開始から三ヶ月…頃合いか」

時雨は一人小さく呟いた。

「よし、貴様ら。午後からの訓練は内容を変更する」

彼女は神妙な面持ちで新兵達を見た。

「これより作戦任務の為、基地を出撃する」