投げ出した軍刀を拾い上げ、ガクガクと震える膝に力を込め。

「もう一度…お願いしますっ!」

奈々は立ち上がって剣を構える。

「よし」

その時、奈々は初めて見たのだ。

鬼の教官である時雨の、見惚れてしまうような笑顔を。