alternative

新兵達が訓練場に集合したのは、12時13分。

予定より13分オーバーしていた。

「遅い!」

既に迷彩服に着替えて訓練場で待っていた時雨が怒鳴る。

「部隊での行動は神速を尊ぶ!作戦行動はスピードが命だ!モタモタしている奴から死んでいく!そして仲間の命さえも奪うのだ!貴様ら初陣から死ぬつもりかっ?」

徴兵制で無理矢理最前線の部隊に連れて来られ、訓練開始早々役立たずのように罵声を浴びせられる。

新兵達の表情には不満の色が見え隠れする。

その表情を見て、時雨はニヤリと笑った。

今にその表情が消えて、まともな思考すら働かなくなるほどに疲弊する事になる…。

「弛んだ貴様らに早速仕置きをしてやる!全員伏せ!腕立て伏せ開始だ!」

ここからが第207訓練分隊の地獄の訓練の開始だった。