場面は変わって、ここは国連軍横須賀基地付近。

AOKとの小規模な戦闘が続き、荒れ果てた街並みが続く中を、時雨は数名の兵士と共に走っていた。

「申し訳ありません少佐、このような些事で…」

「全くだ」

腰に帯びた軍刀をガチャガチャ鳴らしながら、時雨は軍服のまま走る。

相手はAOKではないのだ。

わざわざ90式歩兵強化装備に着替える必要もないだろう。

…兵士に連れられて時雨が辿り着いた先は、簡易テントを張って食糧や生活用品を支給している配給所だった。