alternative

だが…。

無尽蔵の体力を持つマザーに比べ、時雨分隊の隊員達はどんなに鍛え上げているとはいえ人間だ。

怪物じみた力を持つマザーの攻撃を受け止めるには限度があるし、肉体も激しく損傷する。

仲間の為に盾になる。

信頼と絆という精神的な繋がりだけで何とか耐えているものの、いずれは人間の肉体としての限界が訪れる。

「ぐぁっ!」

マザーの尾によって弾き飛ばされ、転倒する皓。

口元から流れる血を拭い、膝を震わせながら立ち上がる。

「皓…休め…次は俺が盾になる…」

そう言って皓の肩を掴んだ晴の左腕は、力なくダラリと下がっていた。

骨が折れている。

先程マザーの一撃を受けた際にへし折られたのだ。

「何言ってんだ…晴こそ休め。お前の方が酷い傷じゃないか」

震える足で踏ん張る皓。

だが皓や晴だけではない。

頭部から流血しているラルフ、咳き込む度に吐血している奈々、胸を押さえている綾斗は肋骨を折られているらしい。

皆一様に深手を負っている。

誰が次に攻撃を受けても、致命傷になりかねなかった。