alternative

追い込まれていく時雨分隊。

その様子を、一般兵士達は見つめていた。

「何とかならねぇのかよ…!」

悔しげに呟く一人の兵士。

「無理だよ、俺達には10式近接戦闘用軍刀もなけりゃ、完全抗体もねぇんだぜ?」

「でも…あのままじゃ咲月少尉達が…!」

自分達には時雨分隊のような優れた能力も素質もない。

AOKに突っ込んでいった所で、返り討ちになるのは目に見えている。

だから奈々が、これ以上の犠牲者を出さない為に前に出る事を禁じたのだ。

しかし…!

奈々が刻み込んだ、足元の線が恨めしい。

線を睨みながら、歯を食いしばりながら。

ザッ、と。

兵士の誰かが、軍靴で地面を蹴った。

ザッ、ザッ。

役に立てない苛立ちと、時雨分隊を救いたいという想い。

その二つが、兵士に地面を蹴るという行為をさせる。