alternative

バシンッ!と。

大きな音が戦場に響いた。

それは平手打ちのような音。

まさしく平手打ちだった。

5メートルはあろうかという巨大AOK、マザー。

その平手も、当然それ相応の大きさがある。

その大きな平手によって、綾斗はカウンターを受ける形となったのだ。

マザーに傷一つ与えられず、逆に宙を舞う綾斗の華奢な体。

時雨分隊で1、2を争う剣の腕を持つ彼女が、いともあっさりマザーに打ち据えられ、悲鳴すら上げる間もなく地面に叩きつけられた。

「あ…」

奈々が顔を青ざめさせる。

「綾斗君っっっ!」

マザーに斬りかかる事も忘れ、足を止め、すぐに倒れた綾斗に駆け寄ろうとする奈々。

それがいけなかった。

「駄目だ!奈々!」

ラルフが叫ぶも間に合わない。

迂闊にも立ち止まってしまった奈々の背中に、マザーの卵管状の尾が叩きつけられる!

「っ……!」

その衝撃に息が止まり、声すら出せない。

奈々もまた、たったの一撃で地面に叩きつけられた。