alternative

視界の全てを覆いつくすほどの、兵士とAOKの群れ。

周辺全てが戦場と化し、阿鼻叫喚が響き渡る。

その光景を、ラルフはアサルトライフルのスコープ越しに冷静に見つめる。

否。

冷静さを無理矢理に保って見つめる。

激情に駆られそうになるのを懸命に抑え、若さゆえに血気盛んな他の時雨分隊の隊員達と共に前線に突撃したいのを耐え、後方からの射撃支援に徹する。

彼の撃つアサルトライフルの弾丸は、AOKに致命傷こそ与えられないが、他の隊員達が斬り込む隙を作り出す事が出来る。

同じ部隊の隊長でも、隊員達と共に前線に出る時雨とは違う。

後方支援に徹し、援護射撃で隊員達の長所を引き立てる。

それがラルフ・ハミルトン分隊長の戦闘スタイルだった。

銃撃手(ガンナー)はいつ如何なる時でもクールに。

戦場の変化を冷静に見極めつつ、感情に左右されず、仲間達の援護に徹する。

決して怒りや悲しみに流されてはいけない、ある意味前線に突撃するよりも難しい役目。

その役割を、ラルフは見事に果たしている。

トリガーに指をかけ、冷徹とも言える瞳でスコープ越しに戦場を見つめるラルフ。

その視線が。

「っ!!」

一般兵士達の足元、不自然に盛り上がる地面を発見した。