alternative

そんな無惨な死に様を見せる兵士は一人だけではない。

累々たる屍の山。

しかし彼らは、ただの一匹も無傷なAOKを残してはいなかった。

時雨分隊に余計な手間をかけないように、AOKは全て行動不能の状態にしている。

…見事に散って、星になった命。

名も知らぬ兵士達の死に様に、隊員達は声を殺して嗚咽する。

「もう…」

奈々が綾斗の背中にしがみつく。

背中に涙が染み込んでいくのが、綾斗にはわかった。

「もう嫌だよっ…どうしてみんな死ななきゃいけないのっ…?」

それは隊員の誰もが思う事。

彼らに何の否があったのか。

世が世なら、皆平穏に日常を送っていた筈。

それなのに…。

「涙を見せるな!」

ラルフが叫ぶ。

「その平穏を…明日を取り戻す為の戦いだ!泣き言は一切許さん!」

その言葉、その振る舞い。

まるで、時雨少佐が彼に乗り移ったかのようだった。