alternative

男性兵士のその言葉に、晴はハッとする。

つまり彼らは、時雨分隊が無駄な消耗をしないようにAOKの群れを引き受けると言っているのだ。

「しかし…あんた達じゃあAOKの完全なとどめを刺す事は…」

綾斗が言うが。

「おぅ、馬鹿にするんじゃねぇよ」

別の兵士が綾斗の胸ぐらを掴む。

「完全抗体持ってるからって自惚れんなよ?俺達一般兵士だって、あんな化け物くらい鼻歌混じりでぶっ飛ばしてやらぁ」

「そうそう、お前らはしばらく高見の見物してりゃあいいんだよ」

「手間は取らせません。少尉達は敵の首魁を討つ事だけに専念してください!」

口調は様々。

だが兵士の誰もが、時雨分隊の面々に期待を寄せていた。

唯一AOKに鉄槌を下せる人類の希望。

彼らに国土奪還の全てを託しているのだ。