拳を握り締め、声を更に大きく。
米内は言った。
「本作戦は人類が生き残る為の作戦である!人類滅亡を阻止する為の重要な任務だ!端から命を捨てる気で戦う者には達成できん!生き延びろ!地べたを這いずってでも生き延びろ!己の大切な者達を、己自身の命を守る為に戦え!死して国を救うなどという綺麗事を語る者は我が軍にはいらん!」
軍の司令官らしからぬ発言かもしれない。
しかしその言葉に、全部隊は鬨の声にも似た歓声をあげる。
…その歓声を背に、米内は高い位置から降りて自嘲する。
「どう思う、時雨少佐。私は軍の上に立つ者としては間違っているか?非情に『死んで来い』と告げるのが、司令の務めだと思うか?」
「いえ…」
傍らに車椅子で寄り添った時雨は、柔らかな笑みを浮かべた。
「見事なお言葉…感服致しました。ですが…」
その笑顔はすぐに曇る。
「彼らはいざとなれば、迷わず逝くでしょう…この国を愛するが故に…」
米内は言った。
「本作戦は人類が生き残る為の作戦である!人類滅亡を阻止する為の重要な任務だ!端から命を捨てる気で戦う者には達成できん!生き延びろ!地べたを這いずってでも生き延びろ!己の大切な者達を、己自身の命を守る為に戦え!死して国を救うなどという綺麗事を語る者は我が軍にはいらん!」
軍の司令官らしからぬ発言かもしれない。
しかしその言葉に、全部隊は鬨の声にも似た歓声をあげる。
…その歓声を背に、米内は高い位置から降りて自嘲する。
「どう思う、時雨少佐。私は軍の上に立つ者としては間違っているか?非情に『死んで来い』と告げるのが、司令の務めだと思うか?」
「いえ…」
傍らに車椅子で寄り添った時雨は、柔らかな笑みを浮かべた。
「見事なお言葉…感服致しました。ですが…」
その笑顔はすぐに曇る。
「彼らはいざとなれば、迷わず逝くでしょう…この国を愛するが故に…」


