alternative

「ともあれ、今日から貴様ら第207訓練分隊は五人で行動する事になる」

そう言った時雨に。

「六人ですよ」

奈々が微笑んだ。

「ええ、俺達は『時雨分隊』です。ラルフ分隊長を先頭に、時雨少佐の名を冠して、これまで通り六人で活動するんです」

晴の言葉に、時雨は驚愕の表情を浮かべる。

「時雨分隊…だと?」

どことなく時雨の顔が赤い。

「ええ、ラルフの命名です。いいと思いませんか?」

笑いかける綾斗。

「ま、全く…」

時雨は顔を横に向け、隊員達から隠した。

やはり耳は赤い。

「よくそんな青臭い事を考えつくものだ…ぐ、軍医殿!早く病室に運んでくれ!傷が痛んで仕方ない!」

そんな照れ隠しの一言を残して、時雨は病室へと運ばれていった。