alternative

綾斗とラルフは背中合わせになってAOKの群れと対峙している。

「落ち着けよ、綾斗。逸るな」

「わかってる!」

ラルフが言うものの、既に綾斗は入れ込んでいる様子だった。

初陣の時からそうだ。

普段は冷静で的確な判断を下す綾斗も、AOKを前にすると親友を殺された記憶がフラッシュバックするのか、興奮状態に陥る。

無鉄砲に前に出て、いつもなら考えられないような無策でAOKに斬りかかる!

「だから言わん事じゃない!」

銃剣型軍刀をアサルトライフルの先端に取り付け、ラルフも突撃する。

射撃で牽制しつつ、刺突で接近してきたAOKの腹を一突き!

呻き声と共にAOKが倒れる。

その先では、綾斗が敵陣深くに先行してしまっている。

幾ら何でも先走りすぎだ。

「待て綾斗!落ち着け!」

必死に呼び止めるも聞く耳持たない。

「次はどいつだ…」

返り血に染まった顔を歪め、綾斗は憤怒の表情を見せた。

「『俺』に斬られたい奴は前に出ろっっっ!!」