暑い暑い夏休みがやってきた。


セミがミンミンやかましい。


コンビニで買ったアイスは家に着くまでに溶けている。


なんだ、この暑さは!!

これが温暖化ってやつか!!




終業式も終わり、成績は上の中くらい。
ってのは嘘だけど。


ほんとは下の中くらい??

可もなく不可はある。


ただ、部活一直線だったから勉強がおろそかになっただけ。


部活を引退すれば、きっと成績も伸びるはずだ。

憶測でしかないけれど。


欲を言えば麻緋と同じ高校に行きたい。

だけど、行けるかは少し不安。


でも、あと1年はあるし。

なんとかなるよな。




とりあえず!!夏休みに入ったんだ。






暑い暑い陽射しが照りつける中、俺は今日も出かけた。


夏休み前に中峰と付き合いだした。

中峰は、本当にいい子で、俺の隣でずっと笑っていてくれる。


彼女の笑顔を見てるとこっちまで嬉しくなるんだ。


中峰と毎日のように会って、図書館で宿題をして、いい頃合いにちょっと外をぶらついて……。


そんな毎日を過ごしていた。





夏休みに入る少し前、まだ、中峰と付き合う前の事。


俺はある電話番号に電話をかけていた。


そう、麻緋が好きなバンドの野外コンサートのチケットを取るためだった。


貯めるに貯めたお年玉貯金を下ろして、麻緋の笑顔につぎ込んだ。


そして、今、俺の手元にはチケットが2枚ある。



絶対、麻緋は喜ぶ。

俺にはその自信がある。


早く喜ぶ顔が見たいけど、コンサート直前に言ったほうが絶対いいと思う。


絶対喜んでくれるんだ。