朝、私は真湖斗に起こされて目が覚めた。



真湖斗を見た瞬間、ビックリした。



だって、昨日の事、忘れてたから。



ていうか、ここが何処だかも分からない。



何で私はベッドで寝てるわけ?私は床に布団を敷いて毎晩「ベッドが欲しいな・・・」と思っているのに。



訳のわからない私は、真湖斗に平手打ちをくらってやっと昨日の事を思い出した。



っていうか、痛い。



「痛い・・・」



私は素直に真湖斗に言う。


上目遣いで見れば、真湖斗も照れるかな?と思って上目遣いにしてみる。



だけど、真湖斗はそんなのどうでもいいみたいで、
「さっさと起きろ」
と言った。



「っていうか、今何時・・・?」



私はあくびをしながら真湖斗に聞いた。



「もう11時だよ」



真湖斗はため息をついて荷造りをしていた。



「ありがと」



私はそれだけ言うと、昨日着ていた服を持ってトイレに入った。



トイレの中で着替えるのは嫌だ。


だけど、真湖斗のいる前で着替えるわけにもいかない。



着替え終わった私はトイレから出て、綺麗に浴衣をたたんで、元あった場所に返した。



「ついて来い」



真湖斗はそれだけ言うと荷物を持って部屋から出た。



私は、昨日持っていた鞄をあわてて持つと、急いで真湖斗を追いかけた。




真湖斗はチェックアウトを済ませると、スタスタとホテルから出て行く。



私は急いで追いかける。



「待ってよ、何処(ドコ)行くの?」



早歩きの真湖斗を追いかけながら真湖斗に聞いた。



「私、今日は帰るんじゃないの?」



私がそう言うと、真湖斗は足をピタッと止めた。



「今日は、遊園地に連れてこうかなと思う」



私は、真湖斗の言っている意味がよくわからなかった。



あたしはきっとこの男に騙されてるんだな。



あとで昨日の服代とか遊園地代を騙し取られるんだ。



「遊園地は嫌か?」



真湖斗は私の気持ちもお構いなしに聞く。



「お金取らないなら嫌じゃない」

「は? 何言ってんのお前…」