時間だけが過ぎていく、この空間。 『だから、なにがあったの?』 先生は、もう隣には居なくて。 病室にさえ居なくて。 「なにもなかったよ」 『ガラスが割れる音がした』 「あ…コップを落としちゃって」 海堂くんに質問攻めにあっても、今は苦痛さえ感じない。 『…怪我は?大丈夫?』 「うん」