何処か変なプライドが邪魔してしまったんだ。 いつもいつも、つまらない事で。 テーブルの上には、二つのおそろいのマグカップ。 『女の子なんだから、ピンクにしろよ』 『嫌だね。わたしは青が好きなの』 『俺のなのに』 『知らない!』 記念日に買ってきた、おそろいのマグカップ。 そう言って、俺はピンクを使うハメになったんだっけ。 思い出に浸るたび、自然と笑顔になる自分が居た。