『もういいよ』

・・・あのときのことだ。

『なんでだよ、ちゃんと人の話聞けよ』

そう言って、君の細い手首を掴んだんだ。

いつも二人はつまらない事で言い合いになった。

お互い、嘘はつけなくて頑固な性格だから、何度もケンカをしてぶつかり合った。

『だから、もういいって!離して』

ドアノブに手をかけて、部屋を出て行ってしまった君。