玉座に座ったアンレスと私に向けられるのは好意的な視線だけではない。
私には女達からむけられるのは嫉妬や妬み。
アンレスに向けられるのは『畏怖』や敵意に女達からのまなざし。
私がのんきに人々からの視線の意味を解釈していると、司会が声を上げた。
「今日の主役である、国王陛下、王妃様からのお言葉でございます」
「今宵は私たちのためにお集まりいただきありがとうございます。今夜は思う存分お楽しみください」
そう言った後、こちに視線を向け囁いてきた。
「レイアも何か言ってください」
私は無言で微笑みながらうなずき、できるだけ優雅に立ち上がる。

