やられた。 そう思っても、もう遅い。 「最初からそうやって素直になっていれば良かったんですよ」 「・・・」 無言で返して窓の外に目をむけた。 「ん?」 眉をよせる。 「あれはなんだ?」 「あれは、奴隷です。戦で負かした国から奴隷をつれてきて働かせているんです」 この国にはまだ、奴隷制度があるのか。 私の国は奴隷などいない。 自分の努力と実力が物を言う国だから。