疲れた・・・ 笑顔を顔に張り付けて手を振る。 これをもう何時間も続けている。 「ちょっと、この馬車ゆっくり走りすぎではありません?」 一応猫を被る。 「こんなものですよ。まさか、もう疲れた・・・とは言いませんよね?」 「言いませんわ。このくらいのことで」 嘘だ、疲れた・・・・ こんな事をしたことなど一度もない。 「そうですか、ではもう少しゆっくり走らせましょう」 「嘘です、ごめんなさい、だからもう少し早く走らせてください」 そう言った次の瞬間アンレスはにやりと笑った。