「なんで疑問形なんですか?」
「いえ、褒めてるとも受け取りにくかったものですから」
「褒めてるんですよ」
褒める意味があるのかは理解しがたいが、ここは一応。
「ありがとうございます」
そう、笑顔でお礼を言っておこうと思う。
でも、このとき私はよそ見をして、アンレス王が顔を真っ赤にしているところを見逃してしまった。
「それにしても、珍しい方ですね。赤やピンクよりも黒や青を好むなんて」
「ええ、昔は白や水色などが好きでしたけど。今はいろいろあって黒や青の方が好きなんです」
好きになった理由について触れてきたら絶対無視だ。
自分で言っておきながらひどい事を考えている私に彼は予想道理聞いてきた。
「なぜですか?」
「こんなところで立ち話でもなんですし、お茶でもしません?」
見事に話を無視。
でもって、お茶をするよりも体を動かす方が好きだ。

