「どういうことですか。」
リュウに代わって水嶋が応じた。
「目撃者の話では、
あ、まだ追突したトラックは捜索中ですが、
どうも、ただの事故では無いようなのです。」
「ぶつかったトラックは逃げているのですか。
人がこんなに死んでいるのに。」
水嶋は驚いて声を高めた。
「ええ、それも、
ちょうど高倉さんの車の後についていたドライバーの話では、
大きなトラックがあんな所にとまって、
邪魔なトラックだ、と認識した直後、
ちょうど高倉さんの車が通り過ぎようとした時にいきなり割り込む形で走り始め、
信号が近くなり、
スピードを緩めた直後に追突したそうです。
ええ、トラックはそのままのスピードで。
それでそのドライバーが慌てて警察へ通報している間に、
トラックはそのまま走り去って行ったのです。」
「だって、その時間帯は仕事帰りの車も多いでしょう。」
それぐらいは高校生の水嶋でも分かる。
「そうです。
だから目撃した人は多いです。
だけど皆… 事故の悲惨さに驚いて、
被害者の方に意識が集中し、
トラックが逃げたのは見ても、
ナンバーとかは全くだめでした。
勿論非常線は張っています。
それでそのドライバーは
トラックが初めから狙っていたように感じた、と話していました。
そしてもうひとつ、
その目撃者以外にも事故を…
いや、事故の可能性を通報した人物がいるのです。
勿論名乗りませんでしたからいたずらかも知れませんが… 」
「すいません。
よく分かるように話していただけませんか。
どういうことですか。」
水嶋は心が止まってしまったようなリュウの代わりに
一生懸命頭を回転させようとしている。
後でリュウにはっきり説明してやらなくては、
と思っているようだ。

