信秀はカイルの言おうとしていることが良く分かった。
「ああ、そう言う研究なら、
キングワード財団の良いイメージにつながる。
早く動き出すと良いな。」
カイルは数年前、初めてリュウの存在を知った。
それまでは、16年前、
自分の愚かな行為で…
てっきり母と一緒に、
この世に生まれることなく死んでしまった、
と自分を責めながら、悔やんで生きて来た。
それでも、自分に自由と資金が出来たことで…
自分が住むはずだった日本の、
高倉信秀の家を調べた。
そしてそこに、
信秀と共にリュウの存在を知り、
驚き…
初めは自分の耳を疑った。
真相を知り、神に感謝した。
それまで、氷の鎧を身につけて生きていたカイルにとって、
人生がひっくり返ったほど感激の瞬間だった。
そして今、
こうして家族として、
喜びも哀しみも共有する存在の絆が出来ている。
リュウが自分を恨んでいなかった事が、
何よりの幸せだ。
「父さん、リュウたち本当に優勝しちゃった。
今晩はあの寿司屋で乾杯だ。
応援に来てくれた部員も誘ってパーティをしましょう。
あそこに先生がいたから、話してきてください。」
「そうか。しかし、
若いから… 皆食べっぷりもすごいぞ。
まあ、お前にとっては苦にもならないだろうが…
そうだな。龍彦と水嶋君への祝儀だな。
明日からは、あの2人、ヒーロー扱いで大変だ。」
と、2人は、最高の気持で、
ロッカールームへ消えて行った
リュウたちを思いながら話している。 了

