「おお、今日、先生がな、
国体でいいところまで行けば、
あのテニスで有名な桜花大学へ推薦してくれるそうだ。
上手くいけば特待生も夢ではないらしい。
まあ、今年は良い成績を残したから、
それもあっての事だろう。
私学だが授業料免除になれば、
親兄弟に気兼ねなくテニスを続けられる。
俺は別にプロになりたいとは思ったことは無いが、
何となくテニスが好きだから、
できる内はやりたい、と思っているんだ。
と、言うところで、リュウ、国体、絶対に頑張ろうぜ。」
水嶋は目じりを下げて嬉しそうに話している。
「うん、僕も頑張らなければ…
父さんとカイルに試合を見てもらいたいんだ。」
と、大志を抱いた2人、
都内での予選から実力を発揮した。
確かに社会人や大学生は手ごわかったが、
前衛のリュウと後衛の水嶋の絶妙なプレー。
リュウの、途中でいきなりドロップするサーブに驚き、
戸惑っている間に、水嶋の強力なスマッシュ。
やっと気を取り直して、
と思っている間に勝負がついていた。
と言う展開で試合は進み、
気がつけば2人は東京都・テニス部門・
少年の部の代表になっていた。
「2人とも、すごいじゃあないか。
東京都で1位なら福島へ行っても確立は高いぞ。」
試合が終わり、
2人が着替えをしていると、
ロッカールームへ顧問の川田教諭がやってきて、
興奮した顔をしてそんな言葉を掛けた。
「ウフッ、僕、今晩カイルに電話する。
来週の土日が福島だよね。」

