「ああ、それとな、
カレンはあの孫たちと暮らす限り生活費が入るようになった。
これでドリーとキースも普通に暮らせる。」
「ふーん、それなら黒幕は…
カイルを殺そうとしたのだから、
殺してもあき足らないね。
父さんもそう思うでしょ。
僕たちのカイルを殺そうとするなんて、ふざけている。」
リュウはカイルと同じような事を言っている。
「まあ、そうだが…
カイルは太っ腹なところを見せて、
警察にも突き出さず、お構いなしにするらしいぞ。」
「そんなのだめだよ。
悪い事をしたなら、
それ相応の罰を与えなければ反省しないよ。
父さん、カイルに言ってやってよ。
カイルは優しすぎるんだよ。
優しいのは僕にだけ、あ、父さんも。だけど…
他の人にはきちんとけじめを付けさせないと、
その人のためにもならないって。」
そんなリュウの様子に、
信秀は満足そうな笑みを浮かべている。
カイルは、
確かに自分の中にガクトの影が現れることを恐れている。
が、その気持がある限り、
カイルが本来の自分を見失う事は無いだろう、と感じた信秀、
リュウと少し話して… 快い眠りに入った。
そして、そんな父の様子に安心したリュウは、
部屋に戻って、落ち着いて机に向った。
「リュウ、中間試験、どうだった。
これからはテニスに没頭しなくてはならないから、
お前、大丈夫か。」
「大丈夫。
先輩こそ、大丈夫ですか。
受ける大学、決めましたか。」
リュウは水嶋の受験予定大学の事を思っている。
最近、水嶋がよくその話題を出していたからだ。

