「龍彦、今なら向こうは朝だ。
カイルに連絡を入れてくれないか。」
いきなり信秀はリュウにそんな事を言い出した。
「父さん、カイルをこんないいかげんな話で煩わさせる事はないよ。
カイルはリハビリもあるし、
仕事も始めているんだよ。」
リュウは父の言葉にあきれている。
美由紀が連れてきた、かずらとのぞみ、
リュウは嫌いだったが、
父は不憫さも手伝ってか、可愛がっていた。
結局、リュウは見ることなく破棄されてしまったが、
遺言書にまで2人の行く末をリュウに頼んでいたらしい。
そう、父さんは女に甘い。
「龍彦、お前だってこんなおかしな話は…
はっきりさせたいだろう。
とにかく、カイルがこの話を知っているかどうか、
それからだ。
もし、知らなかったら…
どうなる。
ドリーたちはカイルが狙っている、と思っているのだぞ。
私たちに止めてもらおうと日本まで来た。
そこまで必死だ。
しかし、カイルの知らない所で何かが起こっているとしたら…
心配にならないか。」
と、信秀は、やはりカイルの親としての気持でリュウに話している。
「カイル、おはよう。リュウだよ。」
父と同じ思いになったリュウはカイルに連絡を入れた。
「リュウ… 父さんに何かあったのか。」
昨日に続いて今日も、と言う事で
カイルは父に何かがあったのでは、
と気になったようだ。
「違うよ、あ、父さんに代わるから… 」
そう言ってリュウは父と代わった。
自分より父のほうが上手に話せる、と思ったのだ。

