その時。 死角で見えなかったんだ…右折してきた車が。 …キキー…ッ 車が突っ込んでくるのが、何故かスローモーションに見えた。 ドンッ!! 「…そん…な…。僕が…僕があんなこと言ったから…のぞみ…っ」 優しい直樹は、私が車に跳ねられた事を聞いて、真っ青になった。 “待ってるから早く来てね”と、あの日電話で言った事に責任を感じてる。 「直樹のせいじゃないよ、勝手に急いだのは私なんだから。」 …柄にもなくね。 「それに…跳ねられただけならまだよかったんだよ。問題は…その後。」