「…はぁ…っはぁ…っ!!」 頭の痛みと…呼吸が荒くなる。 信号が青に変わった。 だけど私は金縛りに合ったみたいに動けないでいた。 「…い……やだ……っ」 男が真っ直ぐ私に向かって歩いて来る。 ――ズキン…ズキン…ズキン…… …嫌だ……怖い。 何が…? ――ドクン…ドクン…ドクン…… 心臓の音が激しく聞こえる中、とてつもない恐怖を感じていた。 …怖い。 男が、近付いて来る。 …何が怖い…? ――ドクン…ドクン…ドクン…―― …思い出すのが…怖い…っ!