空洞になった眼窟。 僕が好きだった君の瞳は、手のひらに。 もう君は彼の姿を映さない。 そして、悲しいことに僕さえも。 君の流す涙は宝石のようだったのに、今は赤黒くて悲しい。 とうに狂った筈の僕なのに、胸が痛んだ気がした。 おかしいね。 笑みが零れる。 歪んだくちびるで愛おしい君に終わりの口づけを。 ゆっくりお休み。 僕が君の傍にいてあげるから。 ゆっくり、と。 その流れる赤い涙が癒えるまで。 〆