白い世界に
インクをこぼした
滲んで拡がる中で
墜とし子は穢れた生死
推し絵の中の夢は
まだ夢のまま
あがくのを忘れてしまうような
居心地を忘れてしまった
色褪せてゆく混沌は
原色の記憶を調和していく

時計仕掛けの御伽の国は
狂った人形を駆り立てる
壊れた人形劇は繰り返す
きらびやかな生死の宝石物語
生も死も持たない
無意味な魄の鎮魂歌

腐った鎮静剤打ち込めど
興奮は病まないだろう
怒れた鎮痙剤打ち込めば
ふるえは歓喜と変わるだろう
穢れはどうしようもなく生粋で
嫌う意味も持たない理由を
黒い世界の白い汚点だけが
ただ一つ識っている
黄泉路を歩いても
黄泉へは逝けない
地を辿っても生けはしない
その身体さえないのだから
その狭間で見るのは
何時でも心理

ちりばめられた記憶の欠片は
何時でも脆弱なの
終焉は軋みをあげて
愚かなピエロは歌いだす
滑稽な鎮魂歌