ギュッ―


ヨクは手に力を込めた。


「…ぅぐっ…なっ…に…っ」


ヨクは少しずつ力を入れていく。


「…憎らしい子ね…。
シズカよりも…憎らしい…。
ゆっくり殺してあげる…。
私は優しいから…。
最後にこの世の思い出を頭に描かせてあげる…」

ギュ―


ギュッ―


「…っはぁ…ぅっ…。
や…め…ぇっ…」


サキがヨクに手を延ばす。


サキの口からは唾液がこぼれる。


「やめて??おかしいわ。
サキは死ぬの怖くないはずよ…??レイが言ってたわ。」


ギュッ―


「うっ!!…いぃ…まは…、
嫌…っ」


サキは必死に言葉を繋ぐ。


「嫌??あら、どうしてなの?」

くすりと笑って力を抜いた。


「レイと…いた…いからぁ…」

ギュッ―


「う゛っ…!!」


突然、再び締め上げられて
声がこもる。


「あら、生意気ね…。
ふふ。ゆっくり…楽しみましょう…」


ヨクはニタリと笑った。


「ヨクさん…!!」


ヨクには
トウヤの声は聞こえない。