ヨクと若い男がいた


男は幼い顔付きで黒い髪をしている
左耳にはピアスを二つしている

若い男はヨクにひざまづいていた


「ヨクさん、お呼びでしょうか??」


「頼みたいことがあるんだけど…。」


「なんでしょうか??」

「…………。」


ヨクは、黙り込んでしまった。


「…ヨクさん…?」


ヨクはしゃがみ、男の耳元に顔をよせた。


そして、静かに話す。


聞いた男は目を見開いている。


「…ヨクさん。それは…。」


「命令だ。機会を伺って速やかに実行せよ。」


ヨクの声は冷たかった。

「…はい。」


若い男は飛んでいった。

ヨクは、悲しい顔をしていた。


「…レイ…。ごめんね…。だけど…、嫌わないで…。」


ヨクの頬に涙が伝った。