暗い部屋に響く声。


「ヨク…レイはどうだ…?」


低くしわがれた声でヨクに話す人物。


その人物のせいだろうか。


部屋は重い空気が流れている。


「はい。マオさま。
順調です。レイは覚醒しつつあります。既にあと、二つの魂を集めるのみとなりました。」


ヨクはマオという人物に慎重に報告をする。


「ふっ…そうか。
さすが、レイもまた優秀か…。ヨク…。二度と、禁忌を犯すでない。」


「………。」


ヨクは何も返事をしない。

そんなヨクをちらりと見ると
マオは話を続ける。


「我ら死神は、人間の上に立つ者。人間の生を監視し、そして死した魂を導く者。」


「はい。存じております。」


ヨクは静かに聞く。


「よいか。死神が人と同じ理の上に成り立つ存在ではないのは承知であろう??
我ら死神は生を受けたその時から、特別な存在であらねばならぬ…。」


「…はい。」


「ヨク…。お前は優秀だ。
過ちは二度と繰り返すな。」