「‥これから?」


あのあと家に帰り部屋で勉強をしていると、携帯が鳴り相手を確認するとそれは美容師のルイ君に呼び出された。


「《この間来た時、髪の毛切ってあげたかったんだけどさ》」


「‥最近枝毛酷いから、お願いしようかなぁ」


「《じゃあ準備しとくよ、もう美容院閉店してるから‥カットモデルって事で》」


「え?良いの?」


「《当たり前でしょ?じゃあ、今から準備しとくからおいで》」


「分かったー、バイバイ」


電話を切ると私は化粧を始めて、パソコンでお気に入りの音楽を流す。


軽く化粧が終わり洋服を選んでいると、部屋の外でガラスが割れる様な音が聞こえた。


「‥な、にっ?」


デニムの短パンをはいて、キャミソールと半袖のシャツを羽織ると私はそっと外を覗く。


「せん‥せ、何して」


「君に関係ないでしょ‥もう黙っていてくれないか」


「‥っ!」


血が流れている先生の手は、ギュッと拳を握ったまま震えている。


先生は怒って居るように見える、鞄を掴み横を抜けると私は逃げるように家を出た。



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