何の気なしに
そこを通り過ぎて
奥から二番目の棚へと歩を進める。




棚には哲学の本が
所狭しと並んでる。




誰も借りないため、
ぴっちりと本は整頓されたままだ。




そこにほんの少しの
ずれを見つける。




あ、カント。




この前、彼が読んでたものだ。




そっとそれを手に取ると
少し、胸の奥がキュンとした。




………読も。